Thinking Swim 素人スイマーの水泳思考録

競泳未経験者がwebで水泳を独学中に気づいたことを備忘録としてブログにまとめてます

クロール-2 =泳ぎの基本的なメカニズムを理解する=

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どうやってクロールは進んでいるのか?

さて、こちらのTIの竹内さんの泳ぎをお手本にクロールのフォーム改善をしようと思った訳ですが、そのためには、そもそもクロールってどうやって泳ぐのもなのか?ということをきちんと整理する必要があります。

クロールがどういう泳ぎか?は学校でも習いますし、動画を見れば分かります。
キックはバタ足で、左右の手を交互にストロークして水をかき、その間に横を向いて息継ぎをすればいいんでしょ、という具合に。
しかし、それらの表面的な理解ではなく、もう一歩踏み込んだ理解が必要だと感じました。

つまり、
クロールという泳ぎはどういうメカニズムで前に進んでいるのか?
キック・ストロークの役割は?
効率的に泳ぐためにはどういう点を意識しないといけないのか?
といったことです。

クロールの推進力は?

クロールの推進力の中心は腕によるストロークです。
よくストロークが7〜8割でキックが2〜3割と言われています。

お手本の動画でもキックは2ビートでそれほぼ強く打ってはいません。
手をかいて前に進む訳ですが、では効果的に推進力を発生させるにはどうすればいいのでしょうか?
まずは、実際の泳ぎの動作やテクニックということではなく、水中で前に進むための物理的なメカニズムを整理してみます。

1.推進力の方向

大前提として、「泳ぐ」とはどういう行為か?というと、

水中で
自分の体を
前に進める

一連の動作のことだと理解しています。

では水中で体を前に進めるためにはどうしたらいいでしょうか?
陸上で走る・飛ぶ・投げるなどの運動と同じように、作用・反作用の法則に従って、動かしたい方向と反対の方向に力を加えてやる必要があります。

つまり、水中で「前に」進むには「後ろ」方向に力を出す必要があるということです。

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めちゃくちゃ当たり前のことですが、この認識を常に頭に入れておくことが大事だと思います。なぜなら、一つ一つの動きを見ていくと意外とこの原則から外れていることがよくあるからです。

ストロークで水を後ろ方向へかく

これがまず一つの原則だと思います。

2.推進力を出すタイミング

次にどのタイミングでその推進力を出すのか?ということです。
これもも当たり前のことですが、せっかくストロークで水をかいたのに、抵抗の大きな姿勢でその勢いを殺してしまっては意味がありません。
つまり、

抵抗が最小になるタイミングで
最大限の推進力を出す

ことが最も効率のいい泳ぎになると思います。

それはいつか?というとこちらの記事でも書きましたが、泳ぎの中で片手だけでストリームライン的な姿勢を作ることができます。
というより、意識して片手ストリームラインの姿勢を作ります。

この姿勢を作る瞬間に推進力を出す、ことがスーッと伸びてゆくクロールの秘訣だと思います。逆に、この姿勢が取れる準備ができるまでは、ストロークでかくのを我慢する必要があります。

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お手本の動画でもストロークの後に抵抗の少ない姿勢でスーッとグライドしてゆくのが分かると思います。

3.推進力を発生させる場所

どのスポーツでもそうだと思いますが、一連の動作の中で筋肉を緊張させ続けて力を入れっぱなしにする、ということはあまりありません。

つまり、普通の時はゆるゆるに力を抜いておいて、肝心の時にぐっと力を入れる。
上手い人というのはこの力を抜く/入れるタイミングを熟知していて、かつそれを的確に実行できる人のことだと思います。
この”脱力”と”緊張”は、水泳も例外ではなく、常に力を入れていたり、あるいはずっと同じ力加減のまま動かしているというのは、あまり効率的ではありません。

推進力を発生させるストロークの動きの中でも同じことが言えます。
ずーっと同じ力で水をかくのではなく、楽にかいてきて、いいタイミングでぐっと力を入れるという強弱をつけることが非常に重要です。

ではどこで力を入れるのか?
細かいストロークのメカニズムはまたおいおい検討するとして、もう少し根本的な理解のために、物理的に考えてみると、

重心の近くで力を発せさせる

ことが最も効率がいいように思います。

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例えば、何か重いものを持ち上げる(=力を発生させる)時のことを想像してみると、腕をのばして遠くで持ち上げるよりも、腰を入れて体の近くで持ち上げた方がより力が入ります。

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水泳でも同様になるべく重心の近くで力を出した方がより大きな力を効率的に発生させることができると思います。

まとめ

クロールでなるべく効率的に前に進むために泳ぎを改善してゆくには、これらの点

・方向:推進力は後ろ方向へ発生させる
・タイミング:最も抵抗の少ない姿勢時に最大の推進力を出す
・位置:なるべく重心に近い位置で推進力を出す

をしっかり理解しておくとすごく役に立つように感じました。

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※これらの理解はTIの竹内さんの泳ぎのように、比較的後ろで水を押して進むタイプの泳ぎについてのものです。
こちらの記事で紹介したポポフ選手のようにもっと前で水を捕まえて体を引っ張っていくタイプの泳ぎ(カヤック式)では少し違ったメカニズムで進んでいます。
ごちゃごちゃにせず分けて考えておくのがいいと思います。