Thinking Swim 素人スイマーの水泳思考録

競泳未経験者がwebで水泳を独学中に気づいたことを備忘録としてブログにまとめてます

クロール-4 ストロークについて考える-1

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クロールの腕の動き

2ビートでスムーズにゆったりと泳ぐ場合、主な推進力は腕のストロークによって作り出されます。
では、どうすれば効率的なストロークが出来るのでしょうか?

ストロークの役割

まずそもそも、何のためにストロークをするのでしょうか?
それは当然ながら、前に進む推進力を発生させるためです。

 

では前に進むためにはどのような力を発生させればいいのでしょうか?
これも当然ながら、前とは反対方向の後ろ向きに力を発生させる必要があります。

 

では後ろ向きの力を発生させるためにはどのように腕を動かせばいいのでしょうか?
効率的なストロークとは?という疑問は言い換えればここに行き当たります。

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後ろ向きな力を発生させる腕の動き

手のひらだけで考えてみると、後ろへ水流を発生させる動きは簡単です。

水面に対して垂直に立てた手の平を水平に後ろへ動かすことが最適な動きです。

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では、腕全体で考えてみましょう。
もし腕が手のひらと同じように自由に前後に動かせるならまっすぐ後ろへ動かせばいいのですが、当たり前ですが肩にくっついているので出来ません。笑)


例えば単純に腕をまっすぐのばしてぐるっと回したときのとこを考えてみます。

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この場合、正味後ろへ水流を発生させているのは、図に示されるわずかなタイミングのみで、それ以外の動きは少なくとも前に進むためには役に立っていません。

 

なるべく後ろへ水流を発生させるには、肘から下が常に後ろへ向くような動きをする必要があります。
イメージとしては大きなパドルが肘から下についていてそれを常に後ろへ向けて最後まで押し切るイメージです。

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この場合、水を大きく抱え込む分、当然その分大きな力がかかります。 

ではその分パワーが必要か?というとそういう訳ではありません。

1つには、この動きを素早く行おうとすると確かにパワーがいります。

しかし、今は速く泳ぐことを目的にはしていませんので、大きく抱え込んだ水をゆっくり後ろへ押し出してやればいいのです。つまり、問題なのは速度ではなく方向なのです。

 

もう一つはすべての力を腕だけで負担する訳ではないということです。

腕は肩で固定されたままなのでしょうか?
体全体で考えてみましょう。
図のように肩を上下させてみれば分かりますが、実は肩=肩甲骨の可動域は結構あります。

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この肩の動きをストロークに利用して見ると図のようになります。

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よくある「大きく泳ぎましょう」というアドバイスは腕だけでなく肩から大きく動かしましょうということを意図している場合が多いと思います。

おそらく効率的なストロークをする上で一番大事なポイントがこの肩=肩甲骨を動かすという点だと感じています。

 

なぜでしょうか?

 

それは使う筋肉が異なる為だと思います。

肩を固定して腕だけで水をかく場合は主に二の腕や肩の筋肉を使います。
それに対して、肩を前後させて大きく動かす場合はそれに加えて背筋を使います。
腕等の末端の筋肉に対して、背筋や腰筋等の体幹の筋肉の強さは圧倒的です。

例えば握力の成人の平均は男性で50kg/女性では30kgくらいです。
それに対して背筋は男性140kg/女性80kgくらいの違いがあります。
もちろん背筋力の測定に使う力をすべて泳ぐ時に使える訳ではありませんが、背筋を使うのと使わないのとでは泳ぐ感覚が全然違います。
競泳選手がみんないかり肩でモリモリなのは、この辺りの肩から背筋にかけての筋肉が鍛えられて発達しているためだと思います。

 

逆にしっかり背筋を使ってストロークを行うと肘から先はほとんど力を入れなくてもいいと言っても過言ではありません。
むしろ、背筋を使って肩甲骨を大きく動かしてストロークを行う場合は、肘から先はぶらぶらに力を抜いているくらいの方が、意識を肩から背筋に集中できると思います。
なので、初心者ほど手の先や足先等の末端の動きを気をつけるよりも、細かいことは一旦忘れて、体幹近くの動きに意識を集中した方がいいように思います。

 

今回はストロークの動きだけに注目しましたが、実際にはこれにローリングの動きとそれをコントロールするタイミングが関連してくるので、もう少し複雑になりますがそれはまた次回にでも。

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