クロール-3 バタ足って必要ですか?
さて、リアルが多忙のためしばらく更新できませんでしたが、何事もなかったかのように再開しますw
バタ足の必要性
よくクロールの第一歩としてバタ足(キック)を習います。
確かに競泳選手は例外なく激しくキックをしています。また、小学生の時に学校でバタ足から習ったような記憶もあります。
しかし、競泳経験のない自分が、レース目的ではではなく、ただ単にスムーズにゆったりとした無駄のない泳ぎをしたいと思った時に本当に必要なのでしょうか?
クロールを泳ぐ際のキックの効果と必要性について考えて、試してみました。
無駄なバタ足
まず、気がついたのは、競泳選手がクロールを泳ぐ時にするキックと、初心者がバタバタ足を動かしてしぶきを上げるバタ足とは本質的に違うということです。
もちろん、競泳選手は上手くて速い、初心者は遅くてへたくそ、という違いはあります。
しかし、上手い/下手、速い/遅いということは、本質的にどこが違うのか?ということの説明にはなっていません。
ではどこが違うのでしょうか?
1.効果的な推進力になっているか?
2.抵抗になっていないか?
3.ストロークのタイミングに合わせたリズムになっているか?
つまり、効果的なキックは足全体をしなやかに振ってしっかり水を後ろ方向へ押し出しており、キックの幅が小さく小きざみです。
さらに言えば、ストロークにあわせて体全体の動きと連動したキックになっていることが理想的だと思います。
逆にバタバタするだけで水しぶきは上がっているが、効果的な推進力になっておらず、下半身が沈むばかりで大きな抵抗になり、上半身と下半身がバラバラに動くばかりのバタ足ならばむしろ何もしない方がましと言えるのでないでしょうか?
→バタバタのバタ足はしない方がまし
以前こちらの記事でもかきましたが、バタ足のというのはクロールのキックについてのドリル練習です。
ドリル練習というのは、対象の動作のみを、「きれいな形」で繰り返し行うことで、その動作感覚を体に覚え込ませる練習です。
逆に言うと、効果的な形ではない動作をどれだけ繰り返したところで、ほとんどフォームの改善にはつながらないと断言しても間違いではありません。
上記のような効果的ではないバタ足を必死でやったり、それを繰り返し練習したりするくらいなら、重心を前にのせるための姿勢の改善に取り組んだ方が、遥かに効果的だと思います。
バタ足をしない努力
では効果的なキックを打つためにきれいなバタ足の練習を始めるべきなのでしょうか?
楽にリラックスして泳ぐことに限って言えば、ほとんどバタ足は必要ありません。
キックは左右のストロークに合わせて体のバランスを取るために打つことが主な目的となってきます。
逆に言うと、すでにクロールはバタ足をするもだとイメージが刷り込まれている場合は、どうやってバタ足をするかよりも、いかにバタ足をしないようにするか、という努力が必要になってくると思います。
一般的に意識的に力を入れることは割と簡単ですが、無意識に入っている力を抜いてリラックスするのは意外と難しいものです。
「キックをしないと体が沈んでしまう」「キックをしないと進まない」というイメージを一旦横に置いておいて、頭を真っさらな状態にしてクロールを始めなければなりません。
私が2ビートのクロールをする時に感じたのは、力を入れるタイミングと位置をまとめて分かり易くするとイメージしやすいということです。
具体的には、
1.蹴伸びでスタート
2.右手でストロークを開始
3.右手のプッシュ時に同じく右足を軽くキック
4.プッシュとキックの勢いを受けて左手を目一杯のばしてグライド+右手は素早くリカバリー
5.右手が入水するタイミングで左手のストローク開始
6.左手のプッシュ時に同じく左足を軽くキック
7.プッシュとキックの勢いを受けて右手を目一杯のばしてグライド+左手は素早くリカバリー
以下繰り返し
力を入れるのは右手+プッシュ時に右足キック、というように
・力を入れる箇所=右半身の腰付近
・力を入れる方向=足の先の方(進行方向と反対向き)
意識をする場所と方向を統一することで、頭への負担を軽くすることができます。
また、その反対側の左半身は出番が来るまでしっかり伸びることだけに集中して動かす必要はありません。
なので、大まかなイメージとしては、
・ 右側で力を入れる(プッシュ+キック)
・ 左は伸び(グライド)
・ 切り替えて(リカバリ)
・ 左側で力を入れる(プッシュ+キック)
・ 右は伸び(グライド)
・ 切り替えて(リカバリ)
という繰り返しになります。
そうすることで、動作のコントロールがかなりやりやすくなると感じました。
以前に書きましたが、体をリラックスさせるためには、まず意識がリラックスしていないと始まりません。
まずは頭の中をシンプルに整理することがスムーズな泳ぎの第一歩かもしれません。