見えない手足をコントロールするには =地図の読める人・読めない人=
自分の動きを観察するには
前回の記事で水泳のフォームを変えてゆく前提条件として、リラックスして自分の動きを水中でよく観察することの大切さを挙げました。
しかし、泳いでいる時には、自分の体や手足を自分の目で見ることはほとんどありません。全く見えないと言っても過言ではないと思います。
実は、陸上の運動でも、運動中は自分の体はほとんど見えていないと思います。
(なので、第三者によるアドバイスやビデオ撮影等が非常に有効かのですが、いつもいつもは使えません)
自分の動きをよく観察したい
という一方で
自分の動きはほとんど見えない
というジレンマが存在します。
そこで、どうするか?
想像するしかありません
だたし、全くの何も情報がないところから想像すると、ただの空想になってしまいます。自分の見えない体や手足の動きを想像するためには、
肌で感じる水の流れ・水の抵抗
体にかかる浮力
前に進むスピードや加速感
水面に出ている部分の感覚
体全体の左右/前後の傾き
使っている筋肉の部位と力加減
動作を起こす時のタイミング
視線の角度(視界の様子)
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などなど
これらの自分の体とその周りの情報をチャッチし、それをベースにいま自分の動きがどうなっているかを想像します。
つまり、
水中で自分の動きを観察するとは、実際に目で見るのではなく、視覚・触覚から得られるあらゆる情報を分析して、自分の動きを想像する
ということに他なりません。
自分の動きをよく観察できる人というのは、自分の体を正確に想像できる人だと思います。(運動センスのある人は、これを無意識的にやっているのだと思います。)
地図を読むための想像力
そこでふと連想したのが、「地図が読めない人」のことです。
地図を渡されてもそこから自分の位置がわからなかったり、目的地までの経路が探せなかったりする、いわゆる「地図が読めない人」いますよね。
そういう「地図が読めない人」も、地図に記載されてる、建物や道の情報自体が読めない訳ではないと思います。
では何が足りないのか?というと、
自分と周りを取り巻く実際の環境と、地図から得られる道路等の情報とつなぎ合わせる想像力が足りないのだと思います。
逆に地図の読める人は、一度頭の中に想像上の仮想地図空間をつくり、その中に自分のモデルを再現できるのだと思います。
慣れれば、その地図を回転させることも、俯瞰することも、視点の位置を変えることも自由自在です。(いちいち頭の中で映像を展開しないとは思いますが、やっていることはそういうことです。)
水泳でも一緒で、自分の泳ぎを想像できる人は、想像の仮想空間に自分のモデルを再現できる人だと思います。
正確なモデルが作れるかどうかは、自分の周りの情報の分析と想像モデルの再現力にかかってきますが、訓練することで上達できるはずです。
自分を観察することは、自分を想像すること。
今日も一生懸命、想像してゆきます!