水泳の楽しさについて考える(1) =水泳コラム-その1=
水泳を始めて2年半ほど経ちます。
運動不足を解消しようと始めた水泳ですが、その面白さにはまってしまい、週5日くらいのペースでプールに通っています。
そこで、一体どこがそんなに面白いのか?考えてみました。
私は39才で水泳を始めました。
それまで特にトレーニングをしていた訳ではありませんし、若い時に鍛えた体力的な貯金もありません。
と言う訳で、筋力は平均以下、スタミナは加齢に伴って絶望的、といった状況です。
そこで、水泳をする時に、マスターズの試合に出て入賞する!とか50mを○○秒で泳ぐ!などと目標をたてて、それをクリアすることに楽しみを見いだそうとすると、その困難さにいきなりつまずいて、早々に挫折したかもしれません。
幸い、試合や記録には全然こだわりがありませんでしたので、せっかく泳ぐならきれいにスムーズに泳ぎたいなと思いました。
そこで、今自分が体感している面白さとはなにか?
それは知的スポーツとしての面白さだと思うんです。
<知的スポーツとしての水泳>
なぜ水泳が知的スポーツとして面白いのか?
結論から言うと、
1-いいパフォーマンスを出すための許容値が比較的ひろい
2-慣れない水中で体をコントロールする必要がある
ということだと思っています。
=1.いいパフォーマンスを出すための許容値が比較的ひろい=
トップレベルではなく、あくまでアマチュアレベルでの話ですが、フォームを整えるとそこそこ速くてきれいな泳ぎをすることができるということです。
つまり、頭で考えて体を上手くコントロールすることで、それなりにいいパフォーマンスを出すことができるのです。
これは水を相手にするスポーツの特性かもしれません。
同じような、力量を競うレース系(競争系)のスポーツ、たとえば、陸上競技で考えてみると、筋力・スタミナが全く同じ条件で、
走るフォームだけを改善して体感できる変化と、
水泳で泳ぐフォームを改善して体感できる変化では、
泳ぐことの変化の幅の方が大きいかなと感じています。
また、一つ一つの動作を考えながらゆっくり行って、確認・修正ができるのも水泳の特徴かもしれません。
短距離走や跳躍、投擲系の競技は一瞬のなかで体を効率的に動かすことが要求されるため、どうしてもいいタイミングやいいポイントがシビアになります。
その点水泳はゆっくりした動きの中でタイミングや姿勢をコントロールすることが比較的簡単です。
同じことは球技や格闘技等の、試合の勝敗を競うゲーム系(試合系)のスポーツにも言えるかもしれません。
飛んでくるボールをバットの芯でとらえる、全力で走りながらボールをゴール左隅に蹴る、といったことを成功させるには非常にシビアな体のコントロールが要求されます。
”許容値が広い”と書いたのはこれらのシビアなタイミングやボディコントロールに比べ、水泳では最初のうちはそれをゆっくり確認しながら行うことができるからです。
また、特にこれらのゲーム系のスポーツでは相手がいますので、フォームを改善して効率のいいバットスイングをできるようになったからといって、必ずしもヒットやホームランが打てるとは限りません。
その点、水泳では水が相手ですので、フォームを改善することができれば物理法則に従って確実にパフォーマンスの向上に繋がります。
まとめると、
・水泳ではフォームの改善がパフォーマンスに及ぼす影響が比較的大きい。
・また、ゆっくりと動作を確認しながらコントロールできるため、フォームの改善に取り組みやすい。
・そしてフォームが改善されたなら、それはきっちり泳ぎの違いとして効果がでる。
そのため、
頭を使って体をコントロールする=技術の向上
ということをダイレクトに実感できます。
そこが、水泳を知的スポーツとして面白いと感じている点の一つです。
もちろん他のスポーツでも同様のことは体感できると思いますが、とくに、
体力のない初心者が、筋力やスタミナのアップや優れた反射神経なしで、上達を実感できる、という点において自分にぴったりだったのかなと思っています。
この特徴は、もう一つの2-慣れない水中で体をコントロールする必要があるという点にもつながっていると思いますが、それは次の記事で。